オレキシン濃度検査

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オレキシン濃度検査
脳脊髄液中のオレキシン濃度検査

典型的な情動脱力発作をもつナルコレプシーの患者さんの90%が、脳脊髄液中視床下部から出る覚醒性の神経伝達物質であるオレキシンAの濃度が以上に低いという特徴があります。

オレキシン濃度が110pg/ml以下か同時に測定した正常者の平均値の3分の1以下であるナルコレプシーと診断されます。
最新の睡眠障害国際分類の診断基準では、この脳脊髄液中のオレキシン濃度が異常に低ければ、情動脱力発作が存在しなくてもナルコレプシーと診断されます。
濃度が下がる原因は、オレキシンをつくる神経細胞が90%以上なくなってしまうことですが、なぜオレキシン細胞が消失するか未だ原因はわかっていません。

国名 HLA陽性のナルコレプシー患者数 オレキシン値が測定限界(*)以下 オレキシン値が測定限界(*)以上
アメリカ 161人 149人(92.5%) 12人(7.5%)
中国 95人 92人(96.8%) 3人(3.2%)
イタリア 79人 77人(97.5%) 2人(2.5%)
デンマーク 75人 71人(94.7%) 4人(5.3%)
韓国 50人 49人(98.0%) 1人(2%)
チェコ 19人 18人(94.7%) 1人(5.3%)
合計 479人 456人(95.2%) 23人(4.8%)

(*)測定限界=異常なほど濃度が少ないこと

ナルコレプシー患者さんで、典型的な情動脱力発作があり、HLAが陽性だと約96%がオレキシン濃度が低いと言われています。
白血球血液型と脳脊髄液中のオレキシン濃度には深い関係があります。
典型的な情動脱力発作をもつ患者さんのうち、白血球の血液型がHLA -DQB1*06:02であると、96%で脳脊髄液中のオレキシン値が異常低値ということになります。
脳脊髄液の検査は腰椎穿刺が必要になりますが、簡単にできる検査ではないので、白血球の血液型検査によって予測します。

その他の診断に役立つ症状

ナルコレプシーの患者さんはちょっとした刺激で目が覚めたり、昼寝の時間が10~30分と短いのが特徴です。
夜間の睡眠では経過とともに中途覚醒が増加します。
その一方で、特発性過眠症の患者さんは、合併症として、頭痛・冷え性・立ちくらみなどの症状があることが多く、朝昼問わず非常に目覚めにくく、無理に起こすと寝ぼけた酔っぱらいのような状態(睡眠酩酊)になり、会話が成り立たないという症状を持つ特徴があります。


次のページでナルコレプシーの有効な治療法について詳しく解説いたします。