ナルコレプシーの合併症

ナルコレプシーの合併症

ナルコレプシーの患者さんには下記のような合併症が報告されています。

気分障害(うつ病・うつ状態) 不安障害 肥満(病気の初期に急速にすすむ)
3人に1人 4人に1人 3~4割

上記のような症状をお持ちの場合は、日常生活をスムーズに送るためにそれぞれに対応する適切な治療を行う必要があります。

ナルコレプシーの患者さんの40%は肥満になります。
病気になってからたった1年で10kgも増えてしまうケースも多く報告されています。
運動量が減り、居眠りが多くなることや、目を覚ますために甘いものを多くとることが肥満の原因と考えられがちですが、最近では、食事の摂取量が少ないのに関わらず太る場合もあることから、基礎代謝が落ちることが原因であることが分かってきました。
このため、ナルコレプシーの患者さんはダイエットをしても効果が出にくいという特徴もあります。

あいにく、現状では体重増加に対する特効薬はありません。
まずは現在の体重を増やさないようにすることが大切です。
夜中に目が覚めた時に甘いものを食べてしまう患者さんがいますが、夜間の間食は肥満につながりますので我慢してください。


肥満が続くことで糖尿病睡眠時無呼吸症候群になるリスクが高まりますので気をつけてください。
ナルコレプシーの患者さんでも、努力をすればダイエットに成功する人は大勢いますので、諦めずに運動や食事による体重コントロールに積極的に取り組みましょう。

なお、一部のナルコレプシーの患者さんでは何らかの理由で必要時に長鎖脂肪酸(※)がエネルギーとしてうまく使われないことが原因で疲れやすく眠りやすくなることがあるという報告があります。

(※)長鎖脂肪酸は体内に入り必要に応じてエネルギーへと分解され、余ったエネルギーは皮下脂肪や内臓脂肪として体内に蓄積されやすい脂肪酸。中鎖脂肪酸は肝臓で素早く分解されるので摂取してから効率よくエネルギーとなる脂肪酸。

ナルコレプトイドについて

2020年3月1日