レム睡眠抑制薬について

情動脱力発作に対する治療

薬物治療

情動脱力発作・睡眠麻痺・入眠時幻覚の特効薬としてレム睡眠抑制作用がある薬が使われます。
現在存在するすべてのレム睡眠抑制薬は抗うつ薬に分類されてます。

なかでも、セロトニンノルアドレナリンという物質を増やす作用を持つ三環系抗うつ薬のクロミプラミンイミプラミンがもっとも効果があるといわれています。

ただ、喉の渇きや便秘やなどの副作用があったり、眼圧が上昇したり心臓に負担がかかるため、緑内障や心臓病の方は使用が難しいなどの問題がある場合もあります。
その場合は、レム睡眠抑制作用は少ないですが、副作用も少ないパロキセチン等SSRIデュロキセチン等SNRIといった薬が使用されることもあります。
また、2015年12月より、ヴェンラファキシン(イフェクサー)という薬が日本でも使用できることになりました。

イフェクサーはSNRIですが、クロミプラミンと同等のすぐれたレム睡眠抑制作用がありので、今後日本での使用が拡大されていくと言われています。

夕食後など、眠気や疲労が強いときに、脱力発作が頻発する場合があります。
これは覚醒中におこる典型的な情動脱力発作とは違い、睡眠麻痺(金縛り)と似たメカニズムで、眠気に伴って起こる症状となります。
この場合の脱力発作は、情動脱力発作症状が悪化しているわけではないので安心してください。

日中はしっかり起きて夜はぐっすり寝るという生活サイクルを整えることが重要となります。

ナルコレプシーと向き合うコツ

2020年3月1日