ノロウイルスの治療と予防

ノロウイルスの診断

これまでは糞便、吐物、食品などから遺伝子検査(PCR法)電子顕微鏡検査を行ってノロウイルスを検出しておりました。
しかし、これらの方法は費用がかかるだけでなく時間もかかるので、結果が判明したころには症状が軽くなっていて、感染の蔓延化を防ぐことが困難でした。
最近では約15分〜20分程度で結果がわかるノロウイルス検査キットが開発されましたが、保険適応がないため約5,000円ほど費用がかかります。
疑わしい患者を調べると大体の方がノロウイルスの陽性反応が出てます。
流行している感染性胃腸炎の場合、原因のほとんどがノロウイルスによるものと考えられます。

ノロウイルスの治療

治療についてですが、結論から言うと現在は効果のある抗ウイルス薬はありません。
よって通常は対症療法が行われます。

特に体力の弱い乳幼児や高齢者は、体力の消耗や脱水症に対して注意をして、水分と栄養の補給を十分に行ってください。
脱水症が強い場合には、入院して点滴などを行うなどの治療が必要になることもあります。

ノロウイルスの予防

ノロウイルス感染症では、ほとんどの場合患者さんとの接触や汚染された水・食品を介して経口的に感染します。
ですので日頃から手洗いとうがいを習慣づけてください。
特にトイレの後や調理の前にはしっかりと手洗いをしましょう。
また家族に患者さんがいる場合には、吐物や便の処理の際にはビニール手袋を使用し、汚物はビニール袋に入れて口をよく密閉して捨てるようにしてください。
また汚染された可能性のあるものは次亜塩素酸ナトリウムでしっかりと消毒して下さい。

ロタウイルス腸炎について

2020年3月1日