胃がんのステージ分類

胃がんのステージ

【ステージ分類】Ⅱ期の進行がんでも5年生存率は76%

胃がんは、粘膜から発生して、徐々に水平方向や垂直方向に広がりながら、リンパ節に転移したり、周辺の臓器へ浸潤していきます。
胃がんか粘膜下層にとどまっている状態は、早期がんとよばれ、リンパ節転移がない場合、下表のステージ分類ではⅠa期にあたります。

この段階での治療法は、基本的には胃といっしょにリンパ節を切りとる外科手術が中心となります。
しかし、組織型により、内視鏡治療がおこなわれることもあります。

早期の胃がんは、一般的にゆっくりと成長し、なかには10年以上経ってから、ようやく粘膜の外に広がりはじめるがんもあります。
しかし、成長の遅いがんと、そうでないがんとの区別はつきません。
がんを発見したらすぐに切りとることが治療の基本となります。
このステージでの国立がんセンターにおける5年生存率は92%にのぼります。

早期の胃がんのうち、がんがリンパ節へ転移していたり、粘膜層をこえて筋層や漿膜(いちばん外側の薄い膜)までにおよんだ状態がⅠb期とⅡ期にあたります。
この段階では通常、 お腹を切り開いて胃の約三分の二を切りとるとともに、周囲のリンハ節もいっしょに切りとります。
これは胃がんの標準的な手術です。

Ⅲ期は、腫瘍がさらに大きく成長し、リンパ節やほかの臓器への浸潤もみられる状態です。
治療としては、胃をすべてとりのぞいたうえ、脾臓大腸など周囲の臓器も切りとる拡大手術がおこなわれます。
国立がんセンターにおけるこのステージの5年生存率は37〜59%です。

遠くのリンパ節(第三群)まで転移していたり、肺や肝臓など離れた臓器に転移かみられる状態(Ⅳ期)では、延命を目的にした化学療法か適用されます。
国立がんセンターにおけるこのステージの5年生存率は8%です。

胃がんのステージ分類

リンパ節
転移がない
胃に接した
リンパ節
(第1群)
に転移がある
胃を補う血管
に沿ったリンパ節
(第2群)に転移
がある
さらに遠くの
リンパ節
(第3群)
に転移がある
胃の粘膜に
限局している
Ⅰa期 Ⅰb期 Ⅱ期 Ⅳ期
胃の粘膜下層
に達している
Ⅰa期 Ⅰb期 Ⅱ期 Ⅳ期
胃の外側表面に
ガンが出ていない、
主に胃の筋層まで
Ⅰb期 Ⅱ期 Ⅲa期 Ⅳ期
筋層を超えて胃の
表面に出ている
Ⅱ期 Ⅲa期 Ⅲb期 Ⅳ期
胃の表面に出た上に、
ほかの臓器にも
がんが広がっている
Ⅲa期 Ⅲb期 Ⅳ期 Ⅳ期
肺や肝臓など
遠くの臓器に
転移がある
Ⅳ期 Ⅳ期 Ⅳ期 Ⅳ期

幽門側胃切除と内視鏡的胃粘膜切除

2020年3月1日