手足の知覚感覚異常
手足がしびれたり、曲げ伸ばしがうまくできないで、よく物を取り落としたりする。
皮膚がピリピリ、ムズムズすることもあります。
更年期によくある症状の1つに、手足の知覚の以上があります。
これは女性ホルモンの1つであるエストロゲンには、皮膚のハリを保ち、柔軟な状態に保つ働きがあります。更年期になってエストロゲンが減少してきますと、皮膚の老化がすすんで皮膚が薄くなり、知覚の過敏状態が続くようになります。これが、しびれやこわばり、知覚異常の原因です。
これらの症状は特に手足の先など末梢部分の皮膚や関節などで感じられることが多いものです。家事など日常生活に直接不便をきたすので悩みが大きくなります。
これまでに経験した個のない違和感や自分の意志のままにならない状態に、神経の異常や脳血管系の病気をうたがったりしますが、頻度の高い更年期症状の1つなのです。
注意するポイント
長く整形外科や皮膚科で治療を受けていて、症状の改善が見られない場合は、一度更年期外来を受診しましょう。
女性ホルモンは直接間接に働いて関節の動きを滑らかにする効果が有ることが知られており、更年期に寄る症状ならホルモン補充療法がよく効きます。
そのほか、自律神経調整薬や、精神安定剤による治療、漢方薬による治療も有効です。
不安や心理的な原因が引い金になっている場合は、経験豊かなカウンセラーによるカウンセリングなどの精神療法を受ける方法もあります。
ただし、しびれや麻痺、感覚の鈍さが、頚椎や腰椎の変形から起こっていたり、関節リウマチなどが原因で手足の指先にこわばりや奸悪以上を起こしていることもありますから注意が必要です。
症状がだんだん強くなったりいつまでも続く場合は早めに検査でこれらの病気がないかどうか確かめましょう。
頚椎の異常が見つかり、家人などの治療を受けた結果、悩んでいたしびれやこわばりが軽快し、気分まですっきりしたという場合も少なくありません。
日頃のアドバイス
血液循環が悪くなると、症状が出やすくなるので運動やマッサージで血液の循環を良くします。
運動ではストレッチやラジオ体操、ウォーキング、水中ウォーキングなどの全身運動が有効です。
マッサージは症状の出やすい手足を中心に行います。また、朝起き上がる前に布団の中で手を握ったり閉じたり、足首をくるくる回すなどをすると、動きがかなりスムーズになります。
ビタミンB群、C、Eには、血行促進のほか様々な良い働きがあるので、これらを多く含む食品を摂るようにしましょう。
B12には神経の過敏を抑える作用、Cは血管に付着したこれストールを分解する働き、Eにはホルモンの代謝を盛んにする効用があります。