概日リズム睡眠障害の治療

概日リズム睡眠障害の対策と治療

薬を使わない治療

睡眠相後退症候群の場合には、朝は太陽の光を浴びて夜は強い光を避けるようにしてください。

眠気の原因となるメラトニンの分泌は強い光を浴びることで止まります。
メラトニンの分泌が止まると身体が活動状態に入ります。

夜になると再びメラトニンが分泌されて自然に眠りに入りますが、このときに強い光を浴びているとメラトニンの分泌が低下してしまいます。

ですので体内時計をリセットするためには、朝起きたときに太陽の光を浴びることが効果的とされています。
逆に、夕方以降に明るい光を浴びてしまうと、睡眠覚醒リズムがさらに遅れてしまうので注意してください。

睡眠相前進症候群の場合には、明るい光を夕方以降に浴びて朝は光を避けるようにしてください。

夕方の早い時間に眠くなって朝早く目が覚めてしまう場合は、夕方以降に人工光などの明るい光を浴びて、朝はアイマスクや遮光メガネを着用するなどをして光を浴びないようにしましょう。

いずれのタイプの方も、毎日の睡眠時間帯を日記やアプリに記録して生活時間帯を補正するようにしましょう。
一定期間、毎日睡眠日誌として就寝時刻と起床時刻、また途中で眼が覚めた時刻を記録することで、自分の睡眠サイクルが可視化できるので、日誌を元に就寝時刻と起床時刻を毎日少しずつ調整して、睡眠を正常な時間帯に戻しましょう。

薬による治療

概日リズム睡眠障害の薬物療法では、下記の2つを使用します。

概日リズム睡眠障害の2つの薬剤
  • メラトニン受容体作動薬
  • 睡眠薬(睡眠導入剤)


メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)は、メラトニンと同じように脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)にあるメラトニン受容体に作用して眠りを誘うので睡眠覚醒リズムを調整することができます。

眠りたい時刻の4~5時間前にメラトニン受容体作動薬を服用します。

睡眠薬(睡眠導入剤)は、眠りたい時刻に眠れるように作用時間の短いものをメラトニン受容体作動薬と併用する場合もあります。

眠りについても何度も目が覚める中途覚醒

2020年3月1日