パーキンソン病の診断と治療の流れ
パーキンソン病の診断ではまずはじめに下記を観察します。
- 動き
- 姿勢
- 運動のしなやかさ
- 左右の動きのばらつき
神経内科の専門医の確実な診断をしてもらう
パーキンソン病が疑われる場合には、神経内科の専門医がいる病院を受診して確実な診断を受けましょう。
パーキンソン病の治療は長期間になることが多いので、いろいろ相談のできる医師と信頼関係を築くことが大切となります。
パーキンソン病の診断の流れ
- 問診
- 視診・触診
パーキンソン病の診断はまず問診から始まり、パーキンソン病の4大症状の有無を安静時のふるえや腹筋のこわばり、関節運動時の硬さ、歩行障害、姿勢の異常などがないかどうかを触診・視診しながら確認します。
パーキンソン病の患者さんの特徴として動きの左右差がありますので、診断する際は必ず左右を比較してどちら側の症状が強いかを確認します。
その後丁寧に時間をかけて患者さんの手足などの動きを観察していきます。
CT検査とMRI検査
パーキンソン病の診断に頭部CT検査またはMRI検査を行います。
パーキンソン病は画像に異常が出ないため、脳血管の障害や脳の萎縮などの異常が認められなかった場合、パーキンソン病の可能性が残ります。
この時点でパーキンソン病であるかどうかは、ほぼ診断がつきます。
患者さんにより治療法は異なる
パーキンソン病の治療方針は患者さんの年齢や認知症の有無によって異なります。
これはパーキンソン病のガイドラインにも定められており、医師の指示に従って治療を行いましょう。
70歳以上で認知障害がない方
ドパミンアゴニストという治療薬から使い始め、のみ続けても症状の改善が見られない場合はL-ドーパという治療薬も併用します。
70歳以上、または認知障害がみられる方
L-ドーパから使い始め、症状の改善が見られない場合はドパミンアゴニストを併用します。
パーキンソン病になると運動機能が低下するので、体を動かさなくなって筋肉量が低下し、運動機能がさらに加速的に低下してしまう可能性があるため、運動療法をしながら以前と同様の生活が送れるように心がけます。
適切な治療と心と体のケアが受けられる主治医を探しましょう
パーキンソン病は、運動機能だけでなく自律神経機能や精神的な症状も併発するので、患者さんの症状に応じて、適切な治療と心と体のケアが重要となります。
治療は長期に渡るので、家族や仕事のことなどの悩みが生じることもあります。
患者さんは一人で問題を抱え込まず、信頼できる医師、看護師、そして家族のサポートを受けながら、前向きな治療を根気よく続けましょう。
そのためにも病院、医師、看護師、その他の医療スタッフとの良好な関係づくりがポイントとなります。
信頼できる主治医を見つけて安心して治療を続けられる環境を構築しましょう。