クローン病の潰瘍や炎症による症状

クローン病の症状について

原因のはっきりしている潰瘍性大腸炎は大腸にしか炎症が起こらないのに対して、クローン病は口腔から肛門まですべての消化管の部位に潰瘍や炎症が生じるため、さまざまな病変が散在して生じるのが大きな特徴となります。

クローン病の症状は潰瘍や炎症が発生した部位により異なるのですが、多くの場合共通して、下痢、腹痛、痔瘻、発熱、肛門の痛みなどを引き起こします。

また、腸の壁全体に炎症を引き起こすため、腸に穴が空くこともあります。
腹痛時は病気の好発部位の回腸末端や盲腸部に一致した右下腹部の痛みが生じることが多いため、虫垂炎と間違われるケースもあります。

腸以外では口腔内に口内炎のような炎症が現れたり、関節炎が生じたり、全身の倦怠感や食欲不振、体重の減少などを引き起こす場合もあります。

また、肛門に病変ができやすいとも言われていて、クローン病を発症してから期間が長くなればなるほどそのケースは多くなります。
クローン病の肛門への病変には次の3パターンがあります。

1.クローン病の病変が肛門に発生する場合

腸にできる潰瘍と同じようなものが肛門内にできることをいいます。

肛門の中に縦長にできる潰瘍なのですが、キレ痔とは異なり、クローン病の場合は、潰瘍の幅が広く、廻りの粘膜が腫れてむくんできます。

また、肛門の皮膚が腫れ、表面に潰瘍が現れる場合もあります。
これらをまとめて、一次病変と呼びます。

2.一次病変を原因としたもの

上記の一次病変が原因となり引き起こされるケースで、もっとも多いケースとして痔瘻がみられます。

痔瘻とは肛門内に細菌が入り、肛門腺が化膿してしまい、その炎症が肛門周囲に広がり膿が溜まってしまいます。
この膿が残った状態になってしまっていることを痔瘻といいます。

3.クローン病とは無関係なもの

クローン病ではなく誰にでも発生する可能性のある通常の肛門疾患

クローン病の患者に偶然発生する場合もあります。
クローン病による肛門病変と区別が難しいケースもあります。

クローン病の原因と関係性がある要因

2020年3月1日