アデノウイルス腸炎
アデノウイルス腸炎は主に3歳未満の乳幼児にみられます。
この年齢層の感染性胃腸炎はA群ロタウイルスに次に多いと言われています。
アデノウイルス腸炎は一年を通して感染する恐れがありますが、
- 夏季にやや多くみられる
- 比較的軽症
- 発熱が少ない
という点がA群ロタウイルスと異なります。
札幌ウイルス腸炎
札幌ウイルス腸炎はカリシウイルス科に属する直径30~35nmの小型ウイルスです。
ロタウイルスに次いで2歳未満の乳幼児が集団で発生する急性胃腸炎の原因となります。
アストロウイルス腸炎
アストロウイルス腸炎は主に乳幼児に散発性(感染を原因とせずに不特定なことが原因で起こること)の急性胃腸炎を起こします。
老健施設や成人の間で流行することもあります。
アストロウイルス腸炎は冬季に発症しますが、一般に軽症で嘔吐や発熱も少ない腸炎です。
エンテロウイルス感染症
夏に流行するエンテロウイルス感染症の一部には、下痢の症状を起こすこともあります。
またB型インフルエンザウイルスでも胃腸症状を起こすことがあります。
ウイルス性胃腸炎のまとめ
ウイルス科 | 属 | 直径nm | 特徴 | 重症度 | 迅速診断法 |
---|---|---|---|---|---|
レオウイルス | ロタウイルス | 70 | 生後6ヶ月から2才までの乳児に多く、重症化しやすい。冬季に集団発生します。 | 最重症 | あり |
カリシウイルス | ノロウイルス | 27 – 32 | 学童、成人の食中毒様集団発生、および全年齢層の急性胃腸炎です。 | 重症 | あり |
札幌ウイルス | 30 – 35 | 乳幼児の急性胃腸炎で集団発生します。 | 中等度 | なし | |
アデノウイルス | 腸管アデノウイルス | 70 – 80 | 胃腸炎だけでなく、結膜炎、上気道炎、肺炎、虫垂炎、腸重積、出血性膀胱炎などの原因となります。7型は重症化します。 | 中等度 | あり |
アストロウイルス | アストロウイルス | 28 – 30 | 主に乳幼児に散発性の急性胃腸炎を起こします。 | 軽症 | なし |
※1nm = 10億分の1メートル