下痢に対する薬
1.乳酸菌製剤
乳酸菌製剤とは一般的に整腸剤と言われているものです。
下痢に対する効果は弱目です。
乳酸菌製剤は腸内で糖を分解することによって乳酸を発生させます。
乳酸によって腸内を酸性にし、病原性大腸菌やタンパク分解菌などの有害菌の抑制します。
また、異常発酵や腐敗を防止しますので便通を整えるます。
ラックビーR、エンテロノンRなどの薬は牛乳の成分が薬に含まれているので、牛乳アレルギーの方は注意してください。
代表的な薬
- ビオフェルミン
- ラックビー
- エンテロノンなど
2.収斂(しゅうれん)剤
収れん剤は腸内で徐々に分解されてタンニン酸が遊離(離れて存在する)されるので腸の粘膜を保護します。
水分の分泌を抑制するので、腸粘膜にゆっくりとした収斂作用(タンパク質を変性させることにより組織や血管を縮める作用)が起きます。
ガゼインが含まれるので、こちらも牛乳アレルギーの人は内服できません。
代表的な薬
- タンナルビン
- 乳酸カルシウム
3.吸着剤
吸着剤は腸管内の有害物質、微生物、水分、粘液、ガスなどが吸着するのを防ぎます。
また腸粘膜をゲル状になって覆うので、刺激から腸粘膜を保護します。
代表的な薬
- アドソルビン
4.腸管蠕動抑制剤
腸管蠕動抑制剤は、その名の通り腸管の動きを抑えます。
下痢止めの効果はとても強いでが、細菌など有害物質を腸管内に留めさせてしまうという欠点もあリますので注意が必要です。
代表的な薬
- ロぺミン
- ロートエキス
5.乳糖分解酵素
乳糖分解酵素は、腸粘膜がダメージを受けることで不足する乳糖(ミルクや牛乳に含まれる、下痢を引き起こしやすい成分)を分解する酵素を補う薬です。
特に乳児に良く用いられる薬で、服用は授乳前となります。
代表的な薬
- ミルラクト
- ガランターゼ
6.漢方薬
漢方薬は、嘔吐・下痢・腹痛などにたいへん効き目があります。
(漢方薬の名前に「湯」がつくものはお湯で服用し、「散」がつくものは水で服用するという意味です)
五苓散は少量の熱い湯で溶かしてから氷を入れ冷やすと服用しやすいです。
苦くて飲みにくいという場合は、お好みで砂糖を入れてもかまいません。
スプーンで一杯ずつ時間をかけて服用してください。
代表的な薬
- 五苓散