卵巣嚢腫の経過観察と治療方法


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卵巣嚢腫は無症状で進行しながら、肥大化によって激烈な痛みを伴う茎捻転に発展する恐れがあります。
茎捻転とは卵巣の腫瘍に隣接する卵管が捻じれてしまうものです。

茎捻転は強烈な痛みを伴うため、緊急手術が必要となる場合も少なくありません。
また卵巣嚢腫自体もある程度の大きさになると手術を用いて除去する必要が出てきます。
また良性と考えられていた卵巣の腫瘍も一定以上の大きさになると、悪性の腫瘍である恐れも検討する必要が出てきます。

そういった意味においても卵巣嚢腫の治療としては手術が必要となるケースが多いのです。

経過観察

初期の段階の卵巣嚢腫については、経過観察の処置がとられることも多くなっています。
これは卵巣嚢腫がこれといった症状を発しないところに原因があります。
つまり卵巣の中に良性の腫瘍ができていても、痛みもなく、ホルモンバランスに異常が生じることもないといった状況が存在するのです。

卵巣はそもそも左右一対の器官です。
そのため片方の卵巣に異常が起きても、もう片方の卵巣が正常な働きを補うことで、体に異常が出ない場合があるのです。
このようなことから、卵巣嚢腫の初期においては経過観察の処置が選択されます。

経過観察ということは現段階では治療が不要ということです。
ただし、将来的な状態まで保証するものではありません。
そのため現時点では経過観察であっても、将来のある時点で手術が必要となる恐れがあります。

手術療法

治療が必要な卵巣嚢腫に対する対応としては手術療法があります。
これは当然に、卵巣の中にある腫瘍を外科的手法によって切除するものです。

手術療法は一般的に、以下のような状態の卵巣嚢腫に対して用いられます。

卵巣嚢腫の手術対象

  • 腫瘍ができてから3か月以上経っているもの
  • 5~8cm以上の大きさのもの

このことからも初期の卵巣嚢腫については経過観察が選択されることがわかります。
経過観察を続け、自然に卵巣嚢腫が消失してくれるのがベストなのです。

しかし肥大化した卵巣嚢腫には手術が行われます。
具体的な手術の手法には以下の2つがあります。

卵巣嚢腫の2つの手術

  • 腹腔鏡下腫瘍摘出
  • 開腹卵巣腫瘍摘出

腹腔鏡下腫瘍摘出は臍部に3cm前後の傷をつけ、そこから卵巣嚢腫を摘出するものです。
大きく切開しない分、体への負担は小さくなりますが、複数の傷をつける必要があるときもあります。
一般的には5cm程度の卵巣嚢腫に対して用いられる手法となります。

開腹卵巣腫瘍摘出は下腹部を10cm程度切開して卵巣嚢腫を摘出するものです。
場合によっては卵巣事切除しなければならないときにも、こちらの手法が用いられます。
一般的には10cm程度の大きな卵巣嚢腫を摘出する際に用いられる手法です。

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