緑内障の視野欠損は気づきにくい
網膜の「くぼみ」には、視神経が集中しているため、映像を関知するセンサーがなく、その部分に写った映像を感知できないという特徴があります。
それが「盲点」となります。
しかし、脳には「補正能力」というものが備わっていて、盲点の部分に何も写っていなくても、周辺の情報から判断して視野を補正し「見えている」ことにしています。
そのため、私たちは普段「盲点」の映像は見えていないことに気づかないのです。
実は、緑内障の人が病気に気づきにくいことにも、脳の「補正能力」が深く関わっています。
脳波、盲点と同じように、緑内障で起こる視野欠損も補正してしまうからです。
さらに、緑内障には「中心部の視野は最後まで保たれる」という特徴があります。
私たちは何かを見るとき、無意識のうちに「見たいもの」を視野の中心に捉えてみています。
つまり、緑内障で周辺部の視野欠損が起こっていても「視野の中央にとらえたもの」はみえるため、視野がかけていることに一層気づきにくいのです。
眼圧測定だけでは緑内障か判断できない
緑内障の診断には、幾つかの検査を行いますが、なかでも眼圧測定は緑内障の診断・治療をすすめる上で欠かせない検査です。
眼圧が正常値の範囲を超えている場合、緑内障の疑いが高くなります。
ただし、日本人の場合は眼圧が正常値の緑内障が半数以上であるため、眼圧の検査値だけに頼っていると、緑内障を見落とすことがあります。
そのため、緑内障の診断には、幾つかの検査を併用しましょう。
とりわけ、緑内障の早期発見に役立つのが、網膜の様子を断層映像としてみることができる「OCT(光干渉断層計)」という最新機器です。
緑内障の検査
- 眼圧測定:神経にかかる圧力を測定する。
- 視野検査:視野が欠けている場所を調査。
- 眼底検査:神経系のダメージを調べる。
- OCT:網膜と視神経のダメージを調べる。
OCTは緑内障の早期発見に役立つ最新機器です。
OCTの検査自体は1分以内に終わり、健康保険適応の場合、費用は3割負担で600円程度になります。
OCTはほとんど総合病院の眼科に導入されており、クリニックでも半数以上で受けることができます。