NIPTと母体血清マーカーテスト
女性は妊娠することで胎児や胎盤などを体内に宿し、血液中に妊娠に由来するホルモンやタンパクが増加します。
母体血清マーカーテスト
21トリソミー(ダウン症候群)や18トリソミー(エドワーズ症候群)といった染色体異常では、ホルモンやタンパクが特異的に上昇します。
その上昇の度合をデータ化することで、統計学的に染色体異常の確率を測定します。
新型出生前診断(NIPT)
母体の血液中を流れる胎児のDNAの断片を解析するので、母体血清マーカーテストよりも精度の高い診断を行うことができます。
はじめは、DNAの断片からすべての染色体の状態を把握することはできませんでしたが、21トリソミー(ダウン症候群)の診断ができるようになり、今では18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)といった主要な染色体異常の診断ができるようになりました。
NIPTは、今後さらに多くの染色体異常の診断ができるようになることが期待されています。
NIPTのメリット
NIPTのメリットは、陰性結果の正確性が極めて高いことです。
NIPTの検査結果が陰性の場合には、流産のリスクをともなう染色体検査を受ける必要がなくなります。
血液採取だけで対象疾患が診断できるのは大きなメリットとなります。
NIPTのデメリット
NIPTのデメリットは、検査の結果が陽性の場合、胎児に対象疾患がある可能性は高いが確定まではできないことです。
その精度は年齢も影響してきます。
40代・・・NIPTで陽性と診断されても10%前後は正常。
20代~30代前半・・・40%前後が正常。
と言われております。
したがって、NIPTで陽性と診断された場合でも、流産のリスクがある染色体検査(羊水染色体検査)を受けなければ確定診断とならないのはデメリットとなります。