心不全とがんの関係
心不全とがんには密接な関係があると言われています。
心不全のある方は、そうでない人に比べて2〜3倍もがんが起こりやすいことが明らかになっています。
実はがんとはまったく無縁な病気に思えるかもしれませんが、免疫異常や慢性的な炎症など、心不全とがんには共通する部分があります。
免疫力が共通する心不全とがん
がんの場合、免疫力の低下によりがん細胞が増殖します。
本来であれば免疫細胞ががん細胞を殺しますが、免疫力が低下するとそれができなくなってしまうのです。
心不全も同じ様に免疫力が低下するとことで心臓の筋肉に慢性的な炎症が起こってしまい心臓の機能を低下させてしまい心不全につながることがあると考えられています。
心不全による入院の予防に期待される薬
最近では阻害剤カナキヌマブによる抗炎症療法の国際的な臨床試験が行われました。
カナキヌマブには免疫異常による炎症を抑える働きがあります。
カナキヌマブを心筋梗塞を起こしたことのある方たちに投与したところ、心筋梗塞の再発が起こりにくくなったそうです。
更にこの方たちは大幅に肺がんも起こりにくくなっていました。
これは慢性的な炎症を抑えたことによりがんの発生を防ぐのにも効果があったのだと考えられています。
これらのことから心不全を発生させない事、進行させない事ががんの予防にも役立つといえます。
生活習慣を守ることで心不全もがんも防ぐことができ、健康で長生きができます。