更年期による尿失禁

更年期による尿失禁イメージ

更年期の尿失禁は女性ホルモンの減少によるもの

笑ったりくしゃみやせきをしたはずみで尿が漏れるので下着が濡れて不快だし、人にも言えないので悩んでしまう。

排尿は尿意が大脳でキャッチされ、自分の意志で排尿していいと思った時に行われます。
これに対し自分の意志に関係なく勝手に尿が漏れてしまうのが尿失禁です。

いろいろな種類がありますが、更年期に起こるものは、腹圧性尿失禁と呼ばれているものがほとんどです。
女性ホルモンの減少による膀胱粘膜や膀胱の括約筋、骨盤底筋肉の萎縮といった変化が原因ですから、更年期になればある程度避けられない減少ということができます。
個人差はあるものの、40代、50代の女性の3人に1人ぐらいが、尿失禁に悩んでいると言われています。
誰もあまり話題にしないので、自分だけではないのかと悩んだり、だんだんひどくなるのではないかと不安になったりしますが、更年期にはよくある症状とわかれば安心できるでしょう。
最近ではコマーシャルなどが薬剤の宣伝のために尿もれを取り上げるようになったのは、尿もれに対する抵抗感を取り除くのに一役買っているのかもしれまえせん。

注意するポイント

なんかの病気があって尿失禁が怒っている場合にはその病気の治療が先決です。
尿失禁は脳や神経の病気でも起こります。尿失禁の回数が多かったり、腹圧をかけないのに常にじわじわ漏れているというようなときは、早めに泌尿器科で診察を受ける必要があります。

病気で起こっているのではないことがわかれば肛門や膣周辺、骨盤底の弱った筋肉を鍛える体操をやってみましょう。尿道や肛門、膣周囲の筋肉を締めたりゆるめたりする運動で出産体験のある人なら産褥体操と同じようなものといえばわかるでしょう。

ホルモン補充療法漢方薬で体全体の調子を整えていく治療や、局所的に肛門や膣周辺の弱った筋肉の働きを強める尿失禁療法薬もあります。
また、現在は簡単な外科的手術があるので手術療法を受けるのも良い方法です。

日頃のアドバイス

下着の交換はマメに行いましょう。
尿もれをそのままにしておくと、二次的に局所のただれやかぶれ、炎症などを起こすことがあります。
旅行などの外出時には、タンポンを使うと便利です。市販の失禁パットや尿もれ用パンツ、生理用ナプキンも使えますが、パットやパンツ、ナプキンは肌にやさしい柔らかいものを選びましょう。

ドライメッシュなど、特殊加工を施したものもありますが、更年期移行の薄くもろくなっている皮膚にはなじまないので、擦れて傷がついたり湿疹の原因になることがあるので避けたほうが良いでしょう。
無刺激・微香性のパウダーやコロンを使うなど体臭対策をする配慮も大切です。

更年期による頻尿・排尿痛・残尿感イメージ

更年期による頻尿・排尿痛・残尿感

2020年3月1日