食道がんの治療
【食道がんの治療】心肺機能が弱っていると手術できない
がんが粘膜にとどまっている早期の食道がんであれば、内視鏡を使った比較的かんたんな治療ですみます。
しかし、いったん粘膜をこえてがんが広がったり、リンパ節に転移したりすると、胸を開いたり、お腹を開いたりする大きな手術になります。
通常でも7〜8時間を要するため、患者さんの体の状態がそうした手術に耐えられるものかどうかも判断しなければなりません。
がんの部分をとりのそくとともに胃や小腸で食道をつくり直す
食道がんの手術では、がんを含む食道と、転移している可能性のあるリンパ節をいっしょに切除します。
食道を切りとる範囲は、がんの発生している部位によってことなります。
いずれの場合でも、食道を切りとるため、同時に食物をとおすための新たな食道をつくる(再建)必要があります。
また、食道がんはリンパ節への転移がおこりやすいがんです。
そのため、がんが胸部にあっても首のまわり・胸・腹の三つの領域のリンパ節をすべて切りとります。
これを「3領域リンパ節郭清」といいます。
首の近くに発生する頸部食道がんでは、のどと胸のあいだの食道を切りとるとともに、首のまわりのリンパ節郭清をおこないます。
新たな食道をつくるときは、小腸の一部を10センチ程度もってきて移植します。