お酒やたばこで心肺機能が弱っていると、手術ができないこともある
【食道とは】口から入った食べ物を胃に送りこむための臓器
食道は、長さ約25センチ、太さ2〜3センチの筒状の臓器で、ロから入った食べ物を胃へと送るはたらきをしています。
食道自体には、消化する機能はありません。
食道の壁は、内側から外側に向けて「粘膜」「粘膜下層」「固有筋層」「外膜」の四層からなっています。
粘膜は粘液を出して、表血をなめらかにして食物をとおりやすくします。
固有筋層は、伸びたり縮んだりする「蠕動運動」をおこして食べ物を胃へ運びます。
外膜は、周囲の臓器とのあいだをうめる結合組織です。
首の部分にある食道を「頸部食道」、腹部にあるのを「腹部食道」、残りを「胸部食道」とよびます。
こうした部分にできるがんを一般に食道がんといいます。
【食道がんの特徴】高齢者の男性患者が多く死亡率はほほ横ばい
食道がんは、がんの発生した部分により、頸部食道がん、胸部食道がん、腹部食道がんの三つに分けることができます。
このうち、日本でもっとも患者数が多いのは胸部食道がんです。
食道がんでは、内側をおおっている粘膜の表面の細胞(扁平上皮細胞)ががん化する「扁平上皮がん」がもっとも多く、全体の90%以上を占めています。
男性に多く発生するのが、このがんの特徴で、その男女比は6対1と圧倒的な数字を示しています。
男性では、6番目に多いがんとなっており、がん全体では10番目となります。