食道がんの病期(ステージ)について
病期(ステージ)とは、がんの進行度合いを示す言葉です。
ステージは、
- がんの深さ
- リンパ節転移の程度
- 別の臓器への転移があるかどうか
で決まります。
この3つの要素の組み合わせによりステージは分類され、表記には0期、I期、II期、III期、IV期のようにローマ数字で現します。
食道がんのステージ分類
(下の表はスマホの場合は右にスクロール、もしくは画面を横にすると見やすいです)
状態 | 主な治療法 | 5年生存率(*) | |
---|---|---|---|
0期 | がんが粘膜内にとどまっており、転移がない状態。 | 開胸せずに内視鏡手術でがんを取り除くことができます。 | ほぼ100% |
Ⅰ期 | がんが粘膜内にとどまっていても、近くのリンパ節に転移している場合、もしくは粘膜を出て広がっているが、リンパ節や、肺、肝臓といった組織への転移はない状態。 | 手術療法で食道を取り除くとともに、頸部、胸部、腹部の3つの領域のリンパ節を郭清 する。その後、胃や小腸などを移植して食道を再建します。 |
78.8% |
Ⅱ期 | がんが食道の壁を貫いて外にわずかに出ている。 あるいはがんのごく近くのリンパ節にのみ転移しているが、周囲の臓器や肺、肝臓といった組織に転移がない状態。 |
患者さんが手術に耐えれる体力があると判断された場合は、ステージⅠと同じように手術療法が行われます。そうでない場合は、放射線化学療法が選択されます。 | 60.0% |
Ⅲ期 | がんが食道の壁を貫いて外に明らかに出ているもの、あるいはがんから少し離れたリンパ節にまで転移が及んでいるが、周囲の臓器や肺、肝臓などの組織に転移がない状態。 | 32.4% | |
Ⅳ期 | がんが食道周囲の臓器や組織に及んでいたり、がんから遠く離れたリンパ節に転移しているもの、あるいは肝臓や肺などの離れた臓器に転移がある状態。 | 放射線化学療法を行います。 あるいは延命を目的とした化学療法や放射線療法の他、痛みを和らげる緩和療法が 行われます。 |
19.0% |
(*)国立がんセンターのける5年生存率