ロタウイルスの診断と治療

ロタウイルスの診断と治療

ロタウイルスの症状は特徴的なので症状からの診断と、便中のロタウウイルスの検出により診断されます。
迅速診断キットが市販されていて、15分以内に便中からロタウイルス抗原の検出ができます。

嘔吐を伴う時期

この時期は比較的短く、食欲はほとんどありません。
5~6時間は絶食・絶飲をして胃の中を空っぽに近い状態にして嘔吐しにくいようにしましょう。
それでも下記の症状がある場合は入院が必要となります。

  • 嘔吐する
  • グッタリする
  • 目の周りが落ちたりくぼんだりする
  • 手足が冷たい

5~6時間経って吐き気がややおさまると水分を欲するようになるので、白湯、薄めのジュース、イオン飲料などを1回に3~5ccづつ、2~3分間隔から始め、嘔吐がなければ量を増やしていくようにしてください。
動物性蛋白、脂肪分の多いミルクや牛乳をこの時期に与えてしまうと、ウイルス戦い続けて弱っている腸に負担がかって吐きやすくなり、下痢も長引きますので注意してください。
母乳の蛋白質や脂肪は牛乳よりも吸収されやすいため、少しづつなら与えてもかまいません。
この嘔吐の時期を乗り切れば一安心です。

嘔吐がおさまり下痢だけの時期

米のとぎ汁の様な白い便がでたり、オムツからこぼれるくらいの大量の水様便が出ますが特に心配はいりません。
しかしながら、嘔吐がおさまっても下痢により体の水分や電解質が失われるので、水分の補給が必要となります。

薄い塩味の野菜スープがおいしく感じられる頃なので、作ってあげると良いでしょう。
お粥・うどん・パンなどのでんぷん類はお腹にかかる負担が最も少ないので与えても大丈夫です。

下痢が2週間以上続くとき

下痢が長引くと腸粘膜の多糖類分解酵素の活性が低下する腸炎後症候群と言われる状態になり、さらに治療が困難になります。
下痢の食事療法の原則は弱った腸に負担をかけないことです。
動物性蛋白や脂肪を避け、でんぷん質を摂取することを心がけてください

その他のウイルス性腸炎

2018年6月4日