多系統萎縮症の治療方法について

多系統萎縮症の治療

今のところ多系統萎縮症の特効薬は開発されていません。

しかし初期の症状に対しては、抗パーキンソン病薬が一部有効であることが分かっています。
そのため、多系統萎縮症は、薬で症状の進行を食い止めながら対症療法を進めていく治療となります。

多系統萎縮症の代表的な症状は運動失調です。

徐々に歩行時のふらつき、立ち上がりや起き上がり困難になるので、バランス障害が悪化して、日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)が低下し、廃用症候群に陥ります。
生活の質(QOL:Quality Of Life)を維持していくために、専門家の指導の元で行うトレーニングやリハビリは重要となります。

バランス機能訓練

まっすぐ歩くことが困難になり、ふらついて転倒しやすくなので、その症状を改善するために四つん這いや膝立ちでの歩行訓練や片足立位保持といったバランス機能訓練を行います。

立ち上がりや起き上がりの練習

症状が進行するにつれて、頭を上げようとすると一緒に足も上がってしまうなど、身体が思ったように動かなくなります。
そのため今までの日常動作の見直しをして、起き上がりやすい動作・立ち上がりやすい動作を身に着けていくことが重要になります。

寝た状態から起き上がる時は、体を横に向けて肘を立てて起き上がるようにして、床に座った状態から立ち上がる時は、片膝を立ててから立てた膝を支点にして立ち上がるといった訓練を行います。

歩行訓練

ふらついてまっすぐ歩くことが難しい場合に行われる訓練となります。
転びにくく、ふらつきが少なくなるような歩き方を見直していく練習をします。

重心を下げて、歩幅を小さくして膝をしっかり曲げながら歩く訓練を行います。

会話の訓練

運動失調が進行すると呂律障害(ろれつがまわらない)になったり言葉がすぐ出てこないなどのコミュニケーション障害を起こすようになります。

会話の訓練では自分の話すスピードや話し方や声のトーンを声の調子や話し方を見直すことから始めます。

パーキンソン病との違い

2020年3月1日