病型によって違う脊髄小脳変性症の予後と治療

脊髄小脳変性症の予後(経過)は病型によって違う

純粋小脳失調型の場合

適切な治療を行い身体をしっかりと動かすことを意識してば、長く健康に過ごすことができます。

多系統萎縮症の場合

様々な障害が現れるて起き上がっていることが困難になるので予後が悪くなる可能性があります。

自律神経障害も多系統障害の一つなので、起立性低血圧を起こすことがあるので、立っていられないのはもちろんのこと、座位(座っている状態)でも失神する危険性があり、寝たきりになってしまうこともあります。

このため、多系統萎縮(MSA)型の脊髄小脳変性症の患者さんは、誤嚥性肺炎などを発症しやすいといわれています。

リハビリ治療

脊髄小脳変性症のリハビリ治療は薬物治療より効果があると言われています。
薬物で脊髄小脳変性症の症状を治療するには限界があるので、リハビリを並行して行うことが非常に重要となります。

リハビリを継続している方は、リハビリをしていない方に比べ運動失調の程度が軽減されることが知られています。

また、筋力をつけることもとても重要ですので筋力トレーニングを行うようにしましょう。

筋肉があれば、寝たきりになる可能性が大幅に減ります。
ふらついたときに手に筋肉があれば物につかまることができるので転倒のリスクが減少します。
足に一定の筋量が保たれていれば、身体の安定性も高まります。

筋肉は骨格を支える役割もあるので、萎縮してしまうと脱臼などの合併症を起こしやすいので、脊髄小脳変性症の患者さんは、筋肉量をなるべく保つようにしましょう。

筋力トレーニングといってもアスリート並みのメニューをこなす必要はありませんが、一度は専門家のいる施設でやり方を教わって継続することをおすすめいたします。

パーキンソン病と思われがちな多系統萎縮症とは

2020年3月1日