クローン病の薬物療法・栄養療法・手術

クローン病の治療について

クローン病の特徴的な症状が見られる場合や、肛門病変などからクローン病が疑われる場合、上部・下部の内視鏡検査や、レントゲン検査、病理組織検査などを行います。

なかでも内視鏡検査は、クローン病特有の症状が確認できるためもっとも有効な検査となります。

クローン病の場合、症状が悪くなったり改善したとり繰り返し再燃することが特徴です。
現時点では、クローン病を完治させる治療法はありません。

ただ、次の治療法で症状を抑え、患者が炎症をコントロールしながら、日常生活をうまく送れるように、病状と付き合っていくことが大切です。

薬物療法

症状に応じて、いろいろな薬剤を組み合わせて薬物治療を進めていきます。

主に使用される薬剤としては、5SAS薬剤(サラゾスルファピリジン、メサラジン)、ステロイド薬(プレドニゾロン、ベタメタゾンなど)、免疫抑制剤(アザチオプリン、メルカプトプリン、シクロスポリンなど)、抗TNFa抗体(インフリキシマブ)、抗生物質(シプロフロキサシン、メトロニダゾールなど)があります。

栄養療法

厚生労働省の治療指針において、基本値長として上げられているのが栄養療法です。
経口の食事摂取はせずに、腸管を安静にすることで症状が落ち着いた状態にし、炎症が抑えられて症状に改善が見られる方法です。

栄養を点滴から入れる完全静脈栄養と、栄養剤を飲んだり鼻に刺したチューブを通して胃に入れる経口/経管栄養の2種類があります。

腸を安静にしなければいけない腸閉塞や腹腔内腫瘍、大量出血などのケースでは完全静脈栄養を行い、その他の例では成分栄養剤を用いた経口/経管栄養が行われるのが一般的です。

手術

クローン病は薬物療法や栄養療法によって症状をコントロールできる病気なのですが、腸管に合併症が起こったり、内科的な治療ではコントロールができなくなった場合などで手術を選択する場合もあります。

手術を必要とする患者は発症後5年で30%、発症後10年で70%前後と言われています。
大量出血、癌合併、腸閉塞、膿瘍の場合などは手術を急いだほうが良いとされています。

視野が狭くなったら

2020年3月1日