幽門側胃切除と内視鏡的胃粘膜切除

幽門側胃切除について

幽門側胃切除では、残された胃と十二指腸を直接つなぎ合わせる「ビルロートⅠ法」や、空腸(小腸の一部)と胃とをつなぐ「ビルロートⅡ法」、胃と十二指腸の間に空腸を入れる「空腸間置法」、食べ物を十二指腸と空腸とに分散して流す「ダブルトラクト法」など、さまざまな方法が開発されています。

国立がんセンターでは、残された胃と小腸とをつなぎ合わせる「ルーワイ法」を積極的におこなっています。
この再建法は、胃をすべて切りとったときにも用いられます。
十二指腸を閉じてしまうので、すい液か逆流することでおこる胸焼けを防ぐことができます。
また、縫い合わせがしっかりとくっつかずに胃の中のものがもれるといった事故も防ぐことかできます。

検診などて発見された早期の胃がんは内視鏡で対応てきる診断技術の進歩と検診の普及で、胃がんは早期に発見できるケースがたいへん多くなっています。
国立がんセンターに訪れる患者さんのうち、約75%は早期がんです。
この早期がんの患者さんのうち、約半数はお腹を切らなくてすむ「内視鏡的胃粘膜切除術(EMR)」が適用されています。

内視鏡的胃粘膜切除術(EMR)について

EMRとは、ロから内視鏡を入れて、病変部をモニターしながら切りとる方法で、粘膜内にとどまっている悪性度の比較的低い 「分化型」 の早期がんに適応されます。
ただし、粘膜内の早期がんのうち、悪性度の高い「未分化型」のがんは、リンパ節転移の可能性があるため、手術治療が適応されます。
かつては3センチ以下など大きさを決めておこなっていました。
しかし、現在、国立がんセンターでは、できるかぎり内視鏡で切りとるという方針でおこなっています。

このEMRには、腫瘍部にリング状のワイヤ(スネア)を引っかけて焼き切る方法と、 ITナイフという器具でがんを含めた粘膜層を薄くスライスする方法があります。
局所麻酔による治療時間は30分〜1時間ほどです。
入院期間も3〜4日と短期間ですみ、開腹手術とくらべて思者さんの身体的負担が格段に少ない治療法です。

国立がんセンターでは、年間約300人かEMRによる治療を受けています。


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