胃酸にまつわるトラブル、症状とは?
胃酸が過度に分泌されてしまうと、強い酸で胃粘膜を刺激して胃の痛みやゲップ、不快感などが生じます。
逆に胃酸の分泌が少ないと消化が十分に行われずに、胃もたれや胃重、胃痛を生じます。
自分の胃酸で胃が傷つく
胃液は食べ物を粥状に溶かして消化しやすくします。
このため胃液の中には胃酸(塩酸)が含まれています。
何らかの原因で胃酸の分泌が多くなって、酸性が強い胃液になると、食べたものだけでなく、自分の胃粘膜まで刺激して傷つけてしまうこともあります。
この状態を胃酸過多(過酸症)と呼び、胸やけ、ゲップ、みぞおちの痛み、生ツバ、生あくび、倦怠感などが生じます。
胃酸過多になりやすいのは、
- 生まれつきの体質
- 胃酸の分泌が多い人
- ストレスやイライラで精神的なプレッシャーを感じている人
- 十二指腸潰瘍などの病気で胃酸が出やすくなっている人
- アルコールや脂質の多い食事を好む人
などです。
胃酸過多を予防するには肉類などのタンパク質、香辛料、コーヒー、炭酸飲料、アルコール、タバコなど胃酸の分泌を促進するものを避け、ご飯や麺類など胃酸の分泌を促進しない食べ物を腹八分目で食べるようにします。
タンパク質は脂身や赤身の肉類を避けて、白身魚、豆腐、鶏肉、牛乳や乳製品に切り替えましょう。
薬は胃酸を中和するものを服用します。
胃酸が不十分だと消化不良に
胃酸が十分に分泌されない低酸症、無酸症という病気もあります。
胃酸の分泌が少ないため、井の中でしょうかが十分に行われず、もたれや胃痛を感じます。
原因は加齢による胃粘膜の萎縮によって、胃酸の分泌が減少すること、胃下垂や胃アトニー、手術で胃を切除した場合、慢性胃炎、萎縮性胃炎、胃潰瘍悪性貧血などがあります。
脂っこい食事は避けて、アルコールやタバコは摂取しないようにします。
胃酸の分泌に関係する分泌物が3つあります。
「ヒスタミン」はアレルギーや花粉症の症状を引き起こす神経伝達物質ですが、胃酸の分泌も活発にします。
脳内で分泌される「アセチルコリン」も、胃酸の分泌を活発にします。
「ガストリン」は胃の幽門庭部にあるガストリン細胞から分泌され、胃酸の分泌を促進します。
これら3つの分泌物によって逆流性食道炎を悪化させたり、胃酸過多を引き起こしたりするので注意が必要です。