ナルコレプシーの眠気の原因とは

脳内物質オレキシンの不足が関係

ナルコレプシーの原因としては、脳の視床下部から分泌されるオレキシンという神経伝達物質が欠乏することが関係しているようだと言われています。
視床下部では食欲や体温、そして睡眠と覚醒を調整しています。
オレキシンは視床下部の神経細胞から分泌されて、おもに覚醒させるように調整する機能を担っています。
ナルコレプシーの場合、何らかの理由でこのオレキシンの分泌が減少してしまい、仮眠症状、レム睡眠関連症状、睡眠の分断化などが起こると考えられています。

ナルコレプシー患者の約90%が、髄液中のオレキシンの濃度が110pg/ml以下(健常人の約3分の1の量)と非常に少ないことが明らかになっています。

脱力発作による怪我、転倒、骨折などに注意

ナルコレプシーの特徴は、場所や状況に関係なく反復的に発生してしまう睡眠発作、つまり激しい眠気です。
また情動脱力発作も特徴的なナルコレプシーの症状です。

怒り、喜び、驚きなどの激しい感情の動きによって誘発され、全身の強い脱力が起こり、その場に崩れ落ちるように倒れこんで意識を失ってしまいます。

長くても1〜2分で何もなかったように平成に戻りますが、脱力発作を起こした時に転倒・骨折などの怪我を起こす危険性があるので、十分な注意が必要です。

その他にも眠りに就いた途端に幻聴や幻視が現れる入眠時幻覚は、安らかな眠りを妨げてしまいます。
また睡眠中に睡眠麻痺という金縛りに似た症状を経験することも多く、睡眠発作、情動脱力発作、入眠時幻覚、睡眠麻痺の4つを合わせてナルコレプシーの4大特徴と呼びます。

ナルコレプシーの診断と投薬治療

2020年3月1日