高血圧は日本人に一番多い病気
日本高血圧医学の治療ガイドラインの血圧分類では、収縮期血圧(最大血圧)140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)90mmHg以上、が高血圧とされています。
厚生労働省統計局の調査成績を参考にすると、実に日本の成人男性の約45%以上、成人女性の35%以上が高血圧ということになります。
つまり、日本では高血圧が成人に最も多い病気ということになりますが、女性は男性に比べて高血圧の頻度が少なくなっています。
しかも、高血圧を発症しやすい年代も異なります。
女性の高血圧の頻度は40代までは男性の約半分程度にすぎません。
ところが、更年期を過ぎると急速に増加し始め、60代以降は男女差はほとんどなくなります。
閉経をさかいに女性も男性と同じように高血圧に対する注意が必要になってくるわけです。
高血圧が恐ろしいのは、自覚症状がないことです。
頭痛や目眩、動悸などを感じることもありますが、ほとんどの場合自覚症状は全くありません。
しかし高血圧が続くと気が付かないうち動脈硬化が進みます。
すると脳卒中や心筋梗塞など、生命に関わる重大な病気を招く危険性が高まります。
そしてある日突然発作を起こすのです。
こうしたことから高血圧は、【サイレントキラー(静かなる殺し屋)】とも呼ばれいます。
動脈硬化でボロボロになった血管は、血液がスムーズに流れません。
そのため、一層く血圧が進行するという悪循環も発生します。コレステロール値や血糖値が高い人は更に症状が進みやすくなります。
動脈硬化は万病のもとと言えますが、中でも怖いは、脳や心臓、腎臓などの血管が破れたり詰まったりすることです。
脳出血や脳梗塞、腎不全などいずれも生命に関わります。
高血圧を防ぐには、定期的に検査を受ける、生活習慣を改善するなど、日頃からの注意が大切です。
特に要注意なのは、肥満気味で運動不足の人、ストレスが強い人、食塩やアルコールを摂り過ぎている人などです。
このような生活習慣を続けていると、今は大丈夫絵も将来的には高血圧になる危険性がとても高いのです。
また、家系的に高血圧の人が多い場合、そうした体質を引き継いでいる可能性が高いので、一層の注意が必要です。
高血圧には、自覚症状がありません。
したがって、定期的に検査を受けることが重要です。20代なら年1回、30代なら年3回、40代なら年6回、50代なら毎月検査を受けることをお勧めします。
その結果高血圧だということが分かったら、生活習慣を改善したり、血管を下げる薬(降圧薬)を飲むことになります。
高血圧が誘発する病気
高血圧により、脳や心臓などは大きなダメージをうけ、下記の病気を発症することがあります。
- くも膜下出血
- 狭心症
- 心肥大
- 腎不全
- 脳出血
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
- 眼底出血