気温差が大きいと血圧が変動する
高血圧の人が、脳や心臓などの発作を起こしやすいために注意が必要だと言われている季節は冬です。
血圧管理のために病院に通っている人なら、冬の冷え込み、あるいは暖かい室内と屋外との気温差に気をつけるように言われたことがあるでしょう。
では、冬以外の季節は安全なのかというと、そうではありません。
夏も、高血圧の人にとって十分な注意が必要なのです。
高血圧の人が発作を起こす危険性を高めるのが、「血圧の変動と脱水」です。
この2つの条件があると、血栓(血のかたまり)ができやすくなってしまいます。
この血圧の変動と脱水が起こりやすくなる非常に危険な季節が実は夏なのです。
では、なぜ夏場に血圧の変動が起こりやすくなるのでしょうか。
それは冷房に理由があります。
寒い場所に長時間いると、血管が収縮します。
冷房が効いた室内に長時間いると、収縮した血管の中に血液を流そうとするため、知らないうちに血圧は上昇します。
その後、温かい屋外に出れば血管が広がり、血圧が下がります。
急に血圧が上昇すれば脳出血、急に血圧が下がると脳梗塞や心筋梗塞の発作が起こりやすくなるのです。
都会では、寒いぐらい冷房を聞かせている場合が多いので、血圧の高い人は、室内と屋外の温度差をできるだけ少なくなるような服装をしてください。
冷房の温度を高めの28度ぐらいに設定する、冷房の効いた室内では薄手のセーターを一枚羽織るなどして、体を冷やさないように注意が必要です。
寝るときのクーラーにも気をつけてください。
一晩中、クーラーでからさを冷やすのは避けるようにします。
タイマーを掛けて、寝てから1時間後ぐらいに切れるように設定すると良いでしょう。