ナトリウムとカリウムのバランスが大事
では、食塩感受性タイプではない人にとって、高血圧を不切上で減塩はどれほど有効なのでしょうか。
強調しておきたいのは「塩は血圧に良くない」という常識にとらわれるあまり、「塩さえ控えられれば良い」と考えるのは危険だということです。
実は、塩分は多く摂り過ぎても良くありませんが、少なすぎても良くないのです。
日本血圧学会が定めた「高血圧治療ガイドライン」では、高血圧の人の食塩摂取量は1日6g以下にすることを推奨しています。
しかし、塩が6g以下では、料理の味付けもままならないことは、みなさんも感じているとおりです。
そばやラーメンなどには、1食で6g程度の塩分が含まれているものもあります。
極端な減塩は、食欲の減退、血液循環の悪化、アドレナリン分泌の減少に夜活動意識の低下、インスリン抵抗性の低下など、かえって弊害のほうが大きくなりかねません。
高血圧を効果的に防ぐには、減塩ばかりを気にするよりも、むしろ余分な塩分(ナトリウム)を体の外に排出するカリウムとのバランスを考えた方が、現実的で効果も大きいといえます。
実際、カリウムなどのミネラルを多く含む果物や野菜、海藻、豆類などを多くとった場合、上の血圧(最大血圧)は平均8〜14mmHg低下すると言われています。
高血圧の人にとって大切なのは、塩の量ではなく塩分の「摂取」と「排出」のバランスなのです。
なお、カリウムは、ミネラル成分を含む天然塩にも多く含まれていますから、同じく塩を使うにしても、精製されていない天然塩や、岩塩を使うことをおすすめします。
減塩に対して神経質になりすぎても、ストレスで血圧が上がってしまう可能せもあります。
もちろん塩分のとりすぎもよくありませんバランスのとれた食事で、楽しく高血圧を防ぎましょう。