自己免疫疾患と遺伝の可能性

原因不明!自己免疫疾患である全身エリテマトーデスの恐怖

全身エリテマトーデスの具体的な原因は未だ解明されていません。
しかしながら、全身エリテマトーデスが自己免疫疾患の1つであることはわかっています。
自己免疫疾患とは、本来はあなたの体を守るために存在する免疫が何らかのきっかけによってあなたの体自体を攻撃してしまうことによって発症するものです。

ここに、全身エリテマトーデスの非常に厄介な部分があります。
免疫障害であるため、いちど発症してしまうとどんどん進行していく恐れがあるのです。

免疫の本来の役割

免疫とは本来はあなたの体を外的な要因から守るために存在するものです。
外的な要因としては、細菌やウイルスなどが代表的です。
免疫は細菌やウイルスが外からあなたの体に侵入しようとした際に、それを攻撃して消滅させます。

つまり健康な人においても免疫機能が必ず存在し、それらは正常な活動をしているのです。
ところが全身エリテマトーデスが発症した人の体の中では、免疫機能が異常をおこしています。
そして、自分自身の体を攻撃対象とみなして、攻撃しているのです。

そのことによって全身エリテマトーデスは、皮膚、内臓、筋肉、関節など人間の身体の様々な部分に異常を起こします。
それこそあなたの体の中の免疫機能が自分の体のどこを攻撃するかによって具体的な症状が異なるのです。
このように全身エリテマトーデスは免疫異常によって起こるものであるため、症状の幅広さに大きな特徴があります。

遺伝すると考えられている

全身エリテマトーデスは、遺伝すると考えられてもいます。
現代においても、全身エリテマトーデスを発症している母親から、どの程度の頻度で同じ病気を持つ子供が生まれるかについては明確な資料として使うことのできる統計が存在しません。
しかしながら、一定の関係性はあると考えられており、そのことから全身エリテマトーデスには遺伝する危険性があるとされているのです。

具体的にどのような遺伝子が全身エリテマトーデスを発症させるかについては、世界中で盛んに研究が行われています。
そして現在は50以上の遺伝子が、全身エリテマトーデスに何らかの形で関わっているのではないかと考えられています。
その50の遺伝子中のいくつかは、全身エリテマトーデスとは違った自己免疫疾患を発症させる恐れがあるとも考えられています。

このように、全身エリテマトーデスの研究は世界中で盛んに行われているため、いつの日か全身エリテマトーデスの原因が具体的に解明される日も来ると考えられます。

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2020年3月1日