SLEの検査診断はあらゆる角度からする

ありとあらゆる症状を想定して!全身エリテマトーデスの検査と診断

全身エリテマトーデスの検査および診断は非常に幅広く行われます。
それは、全身エリテマトーデスが自己免疫疾患であり、体の中に存在する免疫が自分自身のどの部位を攻撃するかによって、具体的に現れる症状が異なるためです。

例えば免疫があなたの肺を攻撃した場合は呼吸困難や、息切れが起こりやすくなります。
また免疫機能があなたの血液を攻撃した場合は、白血球や血小板の減少が起こります。
このように、全身エリテマトーデスは単一の症状から病気を導き出すことが必ずしも容易ではないのです。

全身症状を総合的に診断

全身エリテマトーデスは体のありとあらゆる部分に症状を起こすものであるため、
総合的な診断方法が用いられます。
具体的には、以下の11項目の症状のうち、4つ以上に該当すれば、全身性エリテマトーデスであると診断されることが多くなっています。

・頬の蝶形紅斑円板状の発疹(ディスコイド疹)
・日光に対する過敏症
・口または鼻、のどの潰瘍
・関節の炎症
・肺、心臓、その他の器官の周囲に水がたまる(漿膜炎)
・腎臓の障害(尿蛋白など尿の異常)
・脳や神経の障害
・血液検査で白血球やリンパ球数の減少、溶血性貧血、血小板数の減少
・血液検査で抗2本鎖DNA抗体、抗Sm抗体、抗リン脂質抗体などが陽性
・血液検査で抗核抗体が陽性

中にはこれらの項目の全てに該当するような場合もあるため、全身エリテマトーデスの恐ろしさがよくわかるでしょう。
また一方で簡単な関節炎のみが起こっている場合もあります。
その際は全身エリテマトーデスであることに気づくのが遅れ、治療が遅れるといったデメリットがあります。

根本的な治療は難しい

上述したとおり全身エリテマトーデスは体中の様々な部位に異常を起こします。
特に内臓器官に異常が起こった場合は、放置しておくことで症状が進行し最終的には命にかかわる恐れがあります。

また皮膚に起こった症状については、放置することに日常生活を送ることが困難になる恐れも存在します。
全身エリテマトーデスの治療については、あなたの体に起こった具体的な症状に即したものが行われます。

しかしながら、全身エリテマトーデスの根本的な原因自体が解明されていないため、現代の医学を以てしても根本的な治療は難しくなっています。
対処療法によって、日常生活を送ることに支障がない体を手に入れていくことが求められます。

このように全身エリテマトーデスの予防には困難を伴いますが、改善は一つ一つの症状に対応していくことで行われます。

免疫機能を改善して全身エリテマトーデスを予防改善

2020年3月1日