居眠り病と呼ばれるナルコレプシーとは?
ナルコレプシーは過眠症の一種で、世界的に見ると日本人には患者さんが多く出現しています。
日中の強い眠気や情動による発作的な脱力など特徴的な症状のため、職場や学校でうまく生活できないこともありますが、適切な治療で症状や発作を抑えることが可能です。
日本人には600人に1人
ナルコレプシーは1880年にフランス人医師がつけた疾患名で、眠気と発作を表すギリシャ語の合成後です。「短時間の眠りに対する耐え難い欲求が繰り返し生じる病気」と定義して、この時点ですでに睡眠発作や脱力発作についても記載していました。
有病率は世界の平均が2000人に1人(0.05%)なのに対し、日本人は600人に1人(0.16%)と世界で最も高いという調査結果が出ています。
好発年齢は10〜20代に多く男性にやや多く発生しているようです。
ナルコレプシーとは
ナルコレプシーとは夜間に十分な睡眠をとっているにもかかわらず、日中に過度の眠気が反復的に生じ、居眠りをしてしまったり、激しい感情の変化によって発作的に力が抜けて意識を失ってしまうような症状を伴い、夜間の睡眠時にも、入眠時に幻覚が起きたり、睡眠中に金縛りなどの発作が生じて睡眠の質が低下する病気です。
ナルコレプシーの特徴には次のようなものがあります
- 眠ろうとすると幻視や幻聴が現れる入眠時幻覚、睡眠中に金縛りになどで目が冷めてしまうなど、夜間の睡眠の質が低下します。
- 会議中や授業中など、場所や時間を選ばずに激しい眠気に襲われて、そのまま短時間ですが眠ってしまう睡眠発作に悩まされます。
- 急に大笑いしたり、びっくりするなどの感情の変化が起こった時に力が抜けて崩れ落ちるように数分間眠ってしまう情動脱力発作を起こします。