更年期は不安になる
人の名前が出てこなかったり、スーパーへ行くと買い忘れもしばしばある。根気がなくなり物事に集中できなくなる。
更年期の頃から、記憶力の低下や集中力の衰えを自覚することが目立って多くなってきます。
情緒不安定や抑うつ症状にともなって起こることも多いのですが、単独で見られることも少なくありません。
1、2回なら度忘れとごまかせても、繰り返されると不安になってきます。
物事に集中するパワーや根気がなくなることも意識されて、情けない思いをすることが多くなります。
特に、仕事を持っている人は具体的な支障が出たりすると、仕事をやめなければならないのではないかと悩むことになります。
こうした症状から、早発性の痴呆の始まりではと疑ったりもしますが、実はこれも更年期の症状のひとつなのです。
一般に、40歳を過ぎると少しずつ記憶力が低下していくのはさけられないことであり、これまではずっと一種の老化現象と考えられてきました。
ところが最近女性ホルモンが脳の血液循環や記憶力に影響をあたえることがわかってきました。
更年期移行、女性ホルモンが減少するにしたがって、記憶力や集中力が低下することが科学的に証明されています。
注意するポイント
最近の研究で文章を音読したり簡単な計算をくり返し行うと脳を活性させることがわかってきました。
是非試してみましょう。
また、手と脳は直結していると言われますが、手先を動かすことが頭の働きを良くします、日常的にピアノを引いたり、パソコン、メール、折り紙などで指先を使うのもの頭の体操になります。
職場で、周囲に症状を気づかれるのは確かにマイナスです。
資料を整えたり、下調べに念を入れるなどで補いましょう。
同性の同僚に状態を話、さり気なくフォローしてもらうのも一つの方法です。
その他、ホルモン補充療法を受けたら、記憶力が回復したという人も少なくありません。
ホルモン補充療法も効果のある治療法と言えます。
まれに、鬱や脳の病気などが原因になっていることがあります。
症状がひどかったり、どんどん進むようなら検査を受けることです。
日頃のアドバイス
メモ用紙をいつも用意しておいて、しなければならないこと、買うものなどを、豆にメモをとる習慣をつけると、記憶力低下を補うことができます。
人の名前が出てこない時は、「お住いは以前のところですか」などと、相手からヒントを引き出すようにすると、思い出すことができて、失礼に当たらないですみます。
集中するためには、余計なことを考えないで住む環境を作ります。
若いころのようにテレビをつけたまま、音楽を聞きながら別のことをするというのは無理です。
1つの時間には一つのことを当てるようにすると、比較的無難にやり遂げることができます。