仮面高血圧が増えている

仮面高血圧が増えているイメージ

仮面高血圧の存在をご存知ですか

最近は家庭用の血圧計が普及していつでもどこでも簡単に血圧が測れるようになりました。すると、医療機関で医師が測る血圧(外来血圧)と自宅で自分が測る血圧が随分違うことがわかってきました。

よく知られているのは【白衣高血圧】です。これは、外来血圧が普段の血圧より高くなってしまうことを言います。白衣高血圧の人は病院という非日常的な環境に緊張しがちです。緊張すれば、血管が収縮して血圧はあがります。
特に、医師の白衣がきっかけになると考えられるので、白衣高血圧と呼ばれるのです。
白衣高血圧の人は、一時的んい緊張して血圧が高くなるだけですから、脳卒中や心筋梗塞などの心配はあまりないといえます。

最近問題となっているのは、逆に、医療機関で測る血圧の値よりも、日常生活の血圧のほうが高いという人の存在です。中には健康をまもる上で無視できないほど高い人もいます。

このような、病院では正常血圧なのに病院以外では高血圧だという状態を隠された高血圧という意味で、【仮面高血圧】と呼ぶようになりました。

仮面高血圧は発見されにくく、そのため治療もされない状態が続くので、将来脳卒中などになりやすいことがわかってきたのです。

では何がきっかけで仮面高血圧になるのでしょうか。
原因はいくつかありますが、一つはタバコです。
タバコを吸うと確実に血圧は上昇するのですが、病院お腹や検診中は吸えません。すると血圧は正常値まで下がります。

しかし、ヘビースモーカーなら、タバコを吸っているときの血圧のほうがその人にとっての普段の血圧であるといえます。
つまり、外来血圧が低く出たからといって正常とはいえないのです。

仮面高血圧には3つのパターンがある

仮面高血圧には、主に次の3つのパターンがあります。

■職場高血圧

外来血圧では正常の範囲なのに、忙しい職場にいる時は、高血圧の値まで血圧が上がっている状態のことを言います。職場の緊張感や焦燥感、人間関係の悩みなどが血圧を上昇させます。
1日8時間働いているとすると、血圧の高い状態が1日3分の1も占るわけですから、血管もボロボロになりやすくなります。

■夜間高血圧

夜間から早朝にかけて、寝ている間も血圧が高い状態が続くことをいいます。
原因の一つに動脈硬化が上げられます。健康な人であれば、夜の就寝時は自律神経が切り替わって血管が自然に拡張し、血圧は日中よりも10〜20%は下がります。
しかし、動脈硬化が進行していると、自律神経が切り替わった程度では血管が広がらず、血圧が高いままの状態になるのです。
本来なら、ゆっくり休むべき時間帯に血管も心臓も酷使されるわけですから、動脈硬化や心肥大が進行しやすくなります
また、昼間の行動力や思考力が低下するという研究結果もあります。

■早朝高血圧

早朝に血圧が高くなるタイプをいいます。もともと高血圧体質がある上に、自律神経の働きが重なって、朝、危険なほど異常に血圧が上がってしまうのです。その結果、心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こしやすくなります。
特に、心筋梗塞の発作は午前6時〜10時の間に起こることが多く、早朝高血圧との関わりは無視できません。

発作を防ぐ日常生活のコツのイメージ

発作を防ぐ日常生活のコツ

2020年3月1日