睡眠障害とナルコレプシー
眠らない、眠れない日本人、昼間の眠気に要注意!
日本人は理想的な睡眠時間と実際の睡眠時間、どちらも世界的に見てもとても短く、あまり寝ない国民だといえます。
その影に隠れて大きな社会的損失をもたらす睡眠障害について考えてみましょう。
働き盛りが寝ない日本
日本人の睡眠時間は世界的に見てもかなり短く、「睡眠で十分に休養が取れていない」と回答した人が約2割もいます。
特に30代〜50代の働き盛りの年代で睡眠時間が短い傾向が顕著です。
睡眠時間は人によって異なり、5時間程度でも眠気を感じない人もいれば、8時間以上眠らないと昼あの眠気がひどい、という人もいます。
睡眠は心身を休ませるために必要です
睡眠とは方や体を十分に休養させて、次の日しっかりと活動できるように準備するために必要なものです。
ぐっすり寝れずに睡眠が質的に悪化したり、十分な睡眠時間が取れないという量的な問題が生じる事で、睡眠が妨げられてしまった状態を睡眠障害と呼びます。
2005年に定められた国際基準で睡眠障害は大きく8つに分類されますが、睡眠障害に関する病名は100近くあります。
8つの睡眠障害
睡眠障害とは入眠、睡眠に何らかの異常がある状態を指し、睡眠が質的にも量的にも傷害された状態を指します。
不眠症 | 精神生理性不眠、精神障害 |
睡眠関連呼吸障害 | 睡眠時無呼吸症候群など |
中枢性過眠症 | ナルコレプシー、反復性過眠症など |
概日リズム睡眠障害 | 睡眠相後退型、自由継続(非同調)型など(体内状態位がくるった状態) |
睡眠時行動障害 | 夢中遊行、夜驚症、レム睡眠行動障害など |
睡眠関連運動障害 | むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害など |
単独症状など | いびき、寝言、睡眠時ひきつけなど |
その他の睡眠障害 | 環境因性睡眠障害(騒音・温度・湿度など) |
大事故も睡眠障害が原因
睡眠障害は私達の生活にどんな影響を及ぼすでしょうか?
前になりますが、スリーマイル島原発事故、NASAのチャレンジャー号爆発事故、巨大タンカー座礁事故などは睡眠不足が引き起こした大惨事です。
国内では新幹線の運転士が時速270kmで居眠り運転をしていたことが明らかになり、その運転士が睡眠時無呼吸症候群だったことで話題になりました。
睡眠障害がもたらした悪影響には次のようなものがあります。
- 日中の眠気(EDS)の原因
- 作業能力、判断力の低下、反応時間の遅延
- 事故(交通事故、職業事故、転倒事故)のリスクの増大(2〜3倍)
- うつ病、神経症のリスクの増大
- 起床困難:不登校、出社困難
- 身体疾患にも悪影響(糖尿病、高血圧など)
- 寿命にも影響
日本社会全体の睡眠障害による社会的損失は1年間に3兆4700億円と言われています。
このように個人にも社会にも大きなダメージを与える睡眠障害をどのようにして改善し、いい睡眠を取り戻したらいいいのでしょうか?